小豆鍋/木屋 亞万
 
ちらかというと死にたい」「やや死にたい」理由を◯の影に葬る

吾の前で恋の話をする者はひよこの死骸を踏むようなもの

ストローで吸うスワローことつばめの巣スローで座ろうスワロフスキー

本ならばとっくに閉じて積んでいる知る価値のない僕の人生

目玉から耳へと風が抜けていく人形は風通しが良いの

あゝ今日も男ばかりがしんでいくネクタイを天に吊るせばまさに

寝室のまくらとふとんは横たわる僕のおかげで真実になる

もう起きることにも飽きて寝るだけの寝子になりたい死なぬ程度に

抱擁を渇望しつつ矛盾する触られたくない感覚もあり

さびしないアルマイトでもあるまいしアル
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