ハッピーエンドを妨げる夜という魔物のはなし/ゆうと
 

なのにどうして夜はぼくを悩ませようとするのだろう?まるでハッピーでいたらいけないみたいに。
ほんとうにどうかしてるんじゃないかって、ぼくは思うけど夜は言ってくる。「どうかしてるんじゃないか?」って。
だれが真実をもっているかなんて、ぼくはしったこっちゃないけれど、気になるのはたしかだ。
目の前のものが真実だとわかっているけれど、ほかのひとの目も気にならないといったらうそになる。
ぼくだってひとりで生きているわけじゃないし、いつだってハッピーでいられるわけじゃないから、不安なんだ。
不安を夜は甘やかす。持ち前の闇で、目の前を真っ暗にしてやりたいんだってさ。
だからぼくは目を瞑ってやる。そうしたら自然と朝になる。目の前のことがはじまる。
もうそれで、いいじゃないか。どうしていけないんだ。夜はわけのわからないことをいう。そうしてぼくは一番最初の文章からまた読み上げる、★



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