二十五歳のお盆/komasen333
 
予定通りに終わった記憶がない夏休み
小学三年の夏休みの
スケジュール表が物語っている

「キタナイ字!」と
左隣からすっと覗き込んだつぶらな姪っ子 
「わたしはもう宿題おわったよ」と
誇らしげに言い逃げ

久しぶりの帰省
出来たてのショッピングセンターちらほら
懐かしい匂いの実家
荒々しさが全くと言っていいほど
なくなった隣家の暴犬
相変わらずの両親
それなりに幸せそうな姉夫婦
天国を
先取りしたようなターコイズブルーの空

切なさだけで 
懐かしさだけで 
どこまでも行こうと思えば
行けないことはないのだろう 
マンネリを誤魔化しながらなら


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