夢の話/吉岡ペペロ
 
最新鋭の望遠鏡でも見えないのは

大気の揺らぎのせいだった

この揺らぎを測定し補正した画像を

何万光年さきの世界としてぼくは見つめていた


街道にはところどころに鳥小屋があった

いろんな鳥が鳴いていた

木で出来た古くて大きな鳥小屋だった

昭和の中頃から建てられ

街道のところどころにいまもある鳥小屋

錆びた白いプレートには

鳥小屋の目的がもう読めない薄いインクで書かれていた


最新鋭の望遠鏡でも見えないのは

大気の揺らぎのせいだった

この揺らぎを測定し補正した画像を

何万光年さきの世界としてぼくは見つめていた






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