strawberry on the radio jam/ブルーベリー
 
界線へ向かい
縁にしゃがみこめばワンピースの裾が
結晶に侵された
何も知らない
赤い実
必死で拾い
ワンピースを広げて運ぶ
そうっと

足を高く上げて入る我が家

私達に向かう海などなかった

フローリングで
眠る幼子と君に
笑みを零すと
キッチンへそろそろ進み
苺をワンピースからボウルへと移し
さっと洗うと砂糖と小鍋を取り出して火にかけ
仕上げはラジオからの絶滅危惧種の爽やかな香り
ちょうど煮え立つと
私はそれを歌い合わせた
もうすぐアラームが鳴る頃だから
起こしても問題はないだろうと

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