雨の憂鬱/……とある蛙
雨の降る隙間に
がんじ搦めの自分の昨日を見ながら
傘を差して歩いてゆく
良いことなど無く稼ぎは
全て税金か家賃
それと借金の返済
食事代など手元には残らず
それでも生きてゆける
雨の降る隙間に
昨日までのゴミを捨てようと
傘を差して歩いてゆく
鬱陶しい人間関係は清算し
孤独も孤独と感じず
身軽な自分の立ち位置を
しっかり踵に感じている
雨の降る隙間に
明日からの希望を見ることもできず
傘を差して歩いてゆく
何かやり出すことが億劫で
早く一日をやり過ごすことだけが
自分の希望となってしまい
生きていることすら海月の毎日
雨の降る隙間に
何か見えるか覗き込むようにして
傘を差して歩いている
一応に見えるものは
薄ぼんやりとした今日の自分で
一日をやり過ごした安堵感で
家路につくことが億劫だ
何とも言えない雨の日
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