美しくなされるべき始末/itsuki
かなうなら君にさわりたい
君のまなじりの先に棲み
見とれるほどきれいなその頬を
撫でて
だれよりも長くて、細い指をもっている
たとえばそれにわたしの肌の輪郭
その境界線と起伏など
のこらず追ってもらうこと
背筋が
張るほど
いとおしい行為だ
交わす恋心はこの部屋でのみ培われ
愛を子どものように育てあげる
薄暗い部屋だ
日差しのない
空気のない
真夜中の水のような感触の
劣等と、はげしい欲求は
ひらいた鍵からすでに放たれている
寝台にねそべって
口の紐をほどいてゆく方が
どれだけこころを満たすかもしっていて
それでも
来る朝が生活
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)