釣りには良い日だ/
ただのみきや
頭の中で魚が跳ねた
ぴしゃんと深みへ姿を消した
黒い子猫が静かに見てた
風がぱらぱら捲っていった
時間は長くも短くもない
人の物差しはいい加減だ
瞬間瞬間永遠は
海辺に開いた窓のよう
風がぱらぱら捲ってゆけば
白いカモメに姿は変わる
釣糸垂らして眠っていると
魚に釣られる夢を見た
魚はわたしを貝殻の
裏に刻んで作品とした
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