逆回る/高原漣
 
奇妙な果実が電信柱になっている。

だれかがトーポリ!トーポリ!と叫ぶ。

淫蟲が耳から入ってきて、

オール淫ワン、これは重大淫シデント

たちまち焚書官がかけつけて、

「危ないですから」といって火炎放射器を、

果実へ向けた。一瞬の静寂、

のち大音声。焼き鳥の匂い。

そうか、今夜の天気は冷えたビールかな。
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