ミナモ/mugi
 
想をきかせてほしいというので、キ
ミは砂浜にながれついたガラクタを拾うようにして言葉を採集する、でも、その砂浜はキミからいちば
んとおいところにあるキミの領域だし、そこに流れつくものは、どんなものであろうと、キミをキミら
しさから遠ざけてしまう、やがて、ボクたちは夜の砂浜へ散歩にでかけた、偽詩人はボクのサンダルを
右足にはいて、左足にじぶんの長靴をはいた、ボクは小型のラジオをかかえ、家の扉をそっとしめた、





◆5






                                          けして、


              
[次のページ]
戻る   Point(3)