ミナモ/mugi
 
だかとても不思議な気分だったし、いまでもよくわからないま
まに、彼女は成長する、そして当然だけれど、そのぶんだけボクは歳をとるのだと実感している、も
う、ボクは詩をかきたいような気分になることもそうそうなくなったし、そのための時間を捻出するの
もなかなか難しい、久々に彼にあったとき、それは川沿いで、彼は自分のかいた油絵を燃やしていた、
燃やすために書いたんだよ、はじめからなにもなかったようにふるまうために、でも、はじめからなに
もしないわけにはいかない、それはなんというかルールから外れてしまう行為だとおもうから、彼はそ
んなことを呟いていた、セブンスターを吸っていた、草臥れたビニルサン
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