Escape/
南 さやか
その境界線は 神秘の森へと続いている
無防備に踏み越えると
迷宮へ導かれる… とは教えられていない
不可思議な線の前に
立ちすくむ ふたり
静寂を破る言葉が見つからず
腕を絡ませて 互いの心を読んでいる
次の一歩が同じ方角ならば
向かいたい場所はただひとつ
私は腕に 力を込める
行こうよ… という合図のように
無言のくちびるに照準を合わせて行く
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