饒舌する不在(それが伝言板ならどんな言葉も読み取れることはない)/ホロウ・シカエルボク
うな音
駅のホームで頻繁に繰り広げられる間違った勇気
建設中の死亡事故により完成を待たずに解体されるハイグレードマンションの防音ネット
コンビニエンスストアの中で万引きしたのしないのの罵り合い
帰り道を急いでいるエコ・ストップが売りの車
原発について発言すればいいだけの社会意識レベル
UFOの侵略を危惧するアメリカの学者の誰も買わない脚本みたいな妄想
フリルのミニスカートが風に揺れるのを我慢出来ない公務員
ファースト・フードは顎のゆるい連中でいっぱい
交差点でふざけ過ぎて友達と二度と遊べなくなった少女
ストレッチャーを持ち上げるのに飽きてきた救急隊員
最後のサンセットが網膜に焼きつけた無意味な模様
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