描かれたものとリーディング/
もっぷ
ないんです
知られたくないから言わなかったんです
…神さまの
まぎれもなく神さまのお声だ
びっくりしてお布団を払いのけて枕だけ掴んだまま
わたしは眼を開けるだけ開いた
そこにはちいさないのちの姿があった
そしてそのいのちは必死の形相で繰り返し繰り返し
波の役と城の役を交互に引き受けていた
だからわたしはちいさなものが
ちいさなものこそが本物だと思うようになったんです
信じない人たちの前でわたしは
本当の話を
話し、終えた
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