ぷーぷーちゃん/永乃ゆち
度は拒めなかった
私の宝物は妹になるんだと思ったからだ
しかしそれは間違いだった
両親は妹を構うのに忙しく
私は余計に孤独になった
ぷーぷーちゃんを想って毎日泣いた
妹を憎らしく思った
けれど数か月もすると私はぷーぷーちゃんの存在など
すっかり忘れ、友達と毎日笑って過ごした
妹の事もあまり関心がなくなった
あれから何十年という月日が流れた
今思い返してみれば
私は未だにぷーぷーちゃん以上の存在に出逢えていなかった
無条件に私を許し
私だけを愛し
包んでくれる存在に
もう跡形も
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