わずらった〈ち〉/
阿ト理恵
スピード感を着た〈ち〉 は
ねずみの時間を生きているようだ
暇は肩身が狭い
電脳空間で
ヒマをマヒされられた〈ち〉は
走り続けて
衝突することで終える彗星のように
終わりに向けて
記憶を更新する
3秒前の記憶は
すでにわずらっており
つまらないものですと云って
渡すものは
パイプクリーナー
濁った〈ち〉を詰まらせないように
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