コロッケ その2/ふるる
 
道で、お母さんにだっこされてる赤ちゃんの顔が、ものっそいしかめっ面でウケた」
「ヘヘヘ」

私たちは笑ったり、黙ったり、テレビを見たりしながらご飯を食べます

ありがたい
地震の日以来
本当の本当の本当の意味で
ありがたくなった日常の時間を
熱いコロッケと一緒に
噛みしめます

「そのうちこの少年がもっと大きくなって
いつか
コロッケを3個以上食べるようになったら
自分で作ろうかな
手伝わせればいいや
手伝ってくれるのかな
と思ったり、します」

などと、詩に書いたことがあったなあと
思い出します

今となっては
いつ、なんどき、何が起こるか分からないと知った
今となっては
いつか、などと思うことは恐ろしく贅沢


この
瞬間が

穏やかであれば

もうそれ以上の望みは贅沢だと

思わざるをえないのです



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