終末と、始源と/まーつん
 
は 日々距離を稼いで
かの地の海辺を目指す途上に ある日 忽然と現れたのが

この 丘の上に横たわる 一本の石碑
そこには 人類が今わの際に刻みつけた 嘆きの言葉が並んでいた

゛何をしていたのだろう 私達は
 食べ物を巡って 水を巡って
 この傷だらけの星の食卓に残された
 僅かな数の椅子をめぐって 
 私たちは闘い 勝ち残ってきた
 それは 競争を旨とする自由主義社会が
 繁栄と凋落の果てに辿りついた
 血みどろの椅子取りゲーム

 膨れ上がる人口 枯渇する資源
 打開策のないままに 泥沼化していく
 非難の応酬と 責任のなすり合い
 対立の火花は やがて最
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