終末と、始源と/まーつん
 
空は自由への道標
太古の昔から それはあった
あらゆる生命の頭上に 広がっていた

海は故郷への誘(いざな)い
太古の昔から やはり それはあった
あらゆる生命の周りに 満ち満ちていた

だが この地上に於いて
人の手はついに
真の故郷を築くことはなく
真の自由を掴むこともなかった

今 一本の石碑が 砂の上に横たわっている
それは人類の墓標だったが 砂漠となった大地は
それを支えることを拒み さも忌まわしげに吐き戻していた

破滅への道のりを 振り返ることなく歩み切った 人類
愛はついに 地に満ちる機会を与えられることなく
争いと憎しみの炎熱の中で 干
[次のページ]
戻る   Point(5)