サマー・カニバル/ホロウ・シカエルボク
 
としたが
ご想像通りそれは見当もつかなかった
いつかどこかの土の中にこの俺の骨格が
鶏の餌のように散乱するのだ
それに誰某が線香を立てて
特に理由のない冥福を祈ってくれるのだろう
雨が降らなくても雨の臭いがするものだ、六月という季節は
脳の半分がカビた連中が表通りを闊歩している
それで余計にそいつは繁殖する
あらゆる場所に気持ちを置いていかないといけないと思った
ウィルスを駆逐するファイヤーウォールみたいに
ばら撒かれた骨の中から
シリアルナンバーのついたものだけを拾い上げて
順番に並べてみるのさ
すべてが正確に並び終わったとき
失われたなにかは報われるだろう
耳を
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