関係について/邦秋
 
関係について


一、自分について

自分が生まれるずっと前から
「自分を間接取り巻く関係」は生まれている

あらゆる可能性を秘めたこの身体も
この関係が、とある行動を禁じていく

関係とはつまり、透明な制限装置である

自分が生まれた瞬間に
「自分を直接取り巻く関係」も同じく生まれた

あらゆる可能性を秘めたこの頭と口も
これらの関係が、とある言動を禁じていく

関係とはつまり、透明な制限装置である



二、命を持ったリボンについて

二本のリボンは、結ばれあったその日に
共に結ばれ続けていく関係を生み出した

結び目の窮屈さや座標のずれが生じても
関係が、第三のリボンとの繋がりを禁じている

関係とはつまり、透明な制限装置であり
関係とはつまり、冷たく透明な鎖である


いつか未来、片方のリボンが緩急つけて、
綻び、風吹き、空を舞い、
巡り逢い、結ばれて、喜べば、

関係とはつまり幸せの縄張りとなり
制限とはつまり喜びの束縛となるだろう
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