偲ばれる墓標/
もっぷ
白菊の歌声が
偲ぶあなたの
墓標前にて
一人雨に
濡れながら
西脇の詩集を
繰ってみる
詩のまことが
こぼれますように
と
紅の傘は
忘れられて
かなしく倒れて
朽ちてしまいたいと
言っている
雨ならまるで
永遠を知っているかの
ように
ひたすらに
続いてゆく
まるでわたしの
やまないなみだの
藍のように
銀のように
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