あたらしいものたち/梅昆布茶
かつてわかっていたものではない
あるものが胎動を始めるのを感じとるのだろう
それは定形不定形にかかわらずある意志を持ってそこにある
気配なのだ
ほんとうは君の唇からもれだしてくるものは
僕たちが経験の連続性というかってな仮説で歪めてしまっている
あるたいせつなメッセージなのかもしれない
名前があたえられていないからといってそのものが
存在しないわけではない
僕たちの頭の隅っこに影のようにうずくまっているそれは
いつか言葉を得てゆくのだと思う
そしてそれが血肉化した日にはまたさらにあらたな
あたらしいものを要求してゆく
ことばやことばの示す世界の新陳代謝はこれからもつづくのだが果たして
それとともにぼくが変わってゆけるのだろうか?
このまま凝固してしまわないように
わかったものをわからないものへと変換する
強烈な無知でありたいものだ
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