演歌が聞きたいときがある/天野茂典
 
   (演歌でも歌いたくなるときがある
   淋しい夕暮れ
   帰り支度に遅れて
   ひとりぽつねんととり残されて
   あんなに人がいたのに
   もうみんな帰ってしまった
   夕暮れのときは淋しいひととき
   コウモリ傘がミシン台と出会う場所
   石狩挽歌 それとも舟歌 天城越え
   演歌でも歌いたくなるときがある
   君の死に目にであえなくて
   薬の中で眠ってたぼく
   あれからもう4 5年がたつ
   墓参りにも行けなくて
   君にはなんだか淋しくおもう
   有名になるんだ
   無名じゃだめだ
   ぼくを見ればそれが分かる

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