歌謡曲日和 -THE CRO-MAGNONS グリセリン・クイーン-/只野亜峰
プの絵柄はどれも一緒なのでどうでも良い与太話ではあるのですがね。
シャボン玉の保水性を強めるグリセリン。トリトンの娘パラスと友人アテナを模したクイーン。なんだか面白い材料が揃ってきました。この妄想が的を射ていたと仮定してファンの間では文学少年として知られる真島昌利が二つの題材をどのようなロジックで調理したかは結局のところ真島昌利のみぞ知るといったところではありますが、こんな風に墓荒らしチックに妄想を爆発させるのは我々の業界では至極のエクスタシーであったりします。
いくらグリセリンを添加したといってもしょせんはシャボン玉。強い刺激を受ければあっけなく消えてしまう儚い存在であるわけです。99本のエレキギターをそれぞれに手にした少年少女。オムライスが自慢の古ぼけた食堂。吹けば飛ぶような儚さと触れれば壊れてしまいそうな脆さを内包しているからこそ人間の一生は面白い。人生なんて一夜の夢のようであるけれども、だからこそその一秒一秒に価値があるんじゃないかとか。どこか物悲しい寂しさを感じさせるグリセリンクイーンという曲にはそんな文学少年的な侘寂が込められているのかもしれません。
戻る 編 削 Point(0)