ルチーノとマリア(改作)/永乃ゆち
 
その日街は大騒ぎだった

ボスのルチーノがこめかみに一発銃を撃たれて死んだのさ

愛人のマリアはこの世の物とは思えない叫び声を上げて死体にしがみついてた

ルチーノは悪いことはやってたが人間は悪くなかった

マリアはいつだってルチーノの傍に居た

街の酒場で泥酔したルチーノを介抱していたマリアは

「車を用意します」

と言った男にルチーノを預けて酒代の支払いに店に戻った

その隙だった


56番目の子分であるところの俺は

特に慌てるでもなく相棒のM1911を磨き上げていた


弔いのための戦争が始まる

些細ないざこざはあったが長く平和だっ
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