ナギの唄/砂木
 
私はあわてて隠れてそっと見た
私は猫じゃないカラスじゃない 
でも 怪しすぎて 自分に苦笑した
冬が近づき 雪が降り 豪雪を前に
これが最後かなと出勤する時見たナギに思った
冬はこせたかも知れない でも
いつか最後はあるのだと ナギ ナギ ナギ ナギ

ナギは私を知らない ナギなどという鳥は存在しない
ただ側にきて さえずったとしても それは警戒
そうでなくては ナギ一族ではない
はずみで火の神様にすがりついて願ってしまったナギ一家も
一羽づつバラバラの小鳥かもしれない いい それでも

ナギ この心にしかいない鳥 ナギ
もしあなたが 実は宇宙鳥でも 変種鳥でも 幻鳥でも
あなたを飛ばそう ナギ
あなたをみつけた人に あなたが生まれるように

飛ぼう 一緒に
ナギ 


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