交錯する断片/記憶/桐原 真
 
淡い色と見せかけた透明な水のなかでは、
きみの靴だけが
真青な空と一緒にみえるよ
永遠の行列を知らない、ジャストサイズの革靴が







耳の奥ですうすうと響く
自転の渦よりも果てしない



それは何故だか、
終わらない影踏みのように
ほがらかに
いつだってそこに在り続けている

生まれたての永遠のような姿で
大きすぎる靴を手に持って




幾重もの残像のなかで眠りに落ちる時
また、きみに出会う

影がないわたしたちは、
ただ笑いながら
各々の遠くに向かって歩いてゆく


大きすぎる靴と、
ワインレッドのペディキュア、は
昨日と何も変わらないけれど、


まっすぐに

ただ、まっすぐに




耳の奥ですうすうと響く
自転の渦よりも果てしない


































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