ペソアの詩を/八男(はちおとこ)
 

ペソアの詩を
目で追っては 口ずさんでいる

詩がこんなに偉大なものなのだと
気付かされるとともに

自分が今まで一度も
詩を書いたことがないことに気付かされた


今まで詩だと思って書いていたものは
幼いころ必死になった 犬の絵の延長だ
それがいい


密かな野心が生まれる
ペソアの読者になりたいと

読者になりきって 畑に突き刺さる電柱のように 
静かに いびつに 眠ってしまいたい


ペソアの読者として 詩と結合を果たせれば
1万の犬の絵を書くことよりもはるかに


そこに 何かがあることに 涙を浮かべることができるはずだ 




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