くるぶしからキスをして/
永乃ゆち
くるぶしからキスをして
部屋の灯りはすべて消して
わたしの乳房をまさぐるその手が
あの人のものだと思いたいから
背中から愛撫して
声をあげないで
わたしの陰部をまさぐるその手が
あの人のものだと思いたいから
耳の裏から舐めつくして
朝になったらどこかへ消えて
この夜の熱が
あの人のせいだと思いたいから
あの人を想いながら
独り絶頂に達するだけ
それだけで良いから
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