隻腕の利き腕/朝焼彩茜色
準利き腕に持たす
縺れながら起動を試みる
連続せざるを得ない
一重しか着せられぬ魂の衣
天動説に猜疑心を得ぬ かつての利き腕
古びた微温湯に浸かった
自己愛に引きずり 酷使した
隻腕の祀る祭壇
失ったもののカウントなんてダウンするだけ
霊感を背中に彫り
あばらに引っ掛け
今在るものを 零さず行け
失ったものを拾う時間なんてない
塵取り持つ腕なんてないんだ
掃いてやるよ 彗星が
準利き腕で掬いの行為を葬り
救えるものなら救ってやりたい
一重の鎧さえ脱がされる魂
準利き腕に永住さす
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