雨音に沈む/
無限上昇のカノン
憎悪がすり替わっただけ 愛への渇きが尽きることはなく
傷が深くなっただけ
身体の傷跡は歳月が経ち 色褪せてくるのに
心の傷はいつでも生々しい
誰も気が付いていない
そんなことはないのよ
私自身が気が付いている
私自身が負い目に感じ 恋は過去のものなり
確執はトラウマに変わり
凝固して心の奥に沈む
そんな私の想いなど
世界には何の影響もなく
急に降り出した雨音にかき消され
私自身すら思い出すことはないのだろう
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