タンポポと選利矢/ただのみきや
 

  ポポタンが笑っている
  太陽みたいに開ききって
  その中でアリが泳いでいる
  お菓子の家で溺れそう

  ぼくは憶えている
  きみのやわらかな面差しを
  すべり台へ走って行く
  はち切れんばかりのいのちの輝きを

  風が草葉を波立たせ
  思い出は綿帽子のよう
  切ない言の葉を散らしてゆく
  ポポタンが笑っている
  小さな たくさんの太陽たち

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