あの頃の風と、風の匂いと、サヨナラした思い出に宛てた生きてるって言葉/雅寛
 

あの人達が居ないから?
君が居ないから?
それとも……還らない僕が切ないから?
新しい春も、
憂鬱な夏も、
切ない秋も、
孤独な冬も、
もう二度と返してはくれないんだね。
全て辛いはずの過去だけど、
失った物の大切さなんて、
失わきゃ分からないから。
だから、切ない。
だから、愛しい。
還らない物が。
生きてる事の大切さって、
生きてなきゃ分からないよ。
時にやりきれなさに死にたくなるのは、
君が今を生きてるからだよ。
それだけ、僕に言いました。
思い出達に宛てた届くはずも無い声は、
僕にだけ、届けました。
今日の夕暮れ時、
あの思い出達が、
僕にサヨナラを告げて、
何処か消えてしまった。
きっと、
戻らない今を生きて居るんだね。
少しづつ、
時には後ろに戻ってしまうかも知れないけど、
辛いから、
死にたいから、
僕もきっと、
戻らない今を生きてるよ。
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