Woodstockと宇宙船/梅昆布茶
 
いた
だって変化は前に進むことだって勝手に思い込んでいたんだもの

いつも瑣末なものに足をとられながら
荒野の狼を夢みて吉野家の牛丼と学食のカレーの香りに満ちた風と
アジビラとアジ看の粉砕と闘争と勝利のとがった文字が
ちくちくと眼とこころに痛かった

ジミヘンドリックスがストラトキャスターを惜しげもなく燃やし
酒とブルースとTバックのすてきな温度に拍車をかけたように
悪魔を哀れむ歌がいつも背景にながれていた時代

墓標もたてずはなむけの言葉さえ思いつかずに
すぎさるにまかせたすべてのきらめきを
いまふと思いかえしているのは

きょうが休みで暇なせいなのだが
この5月の不安定な天気ににも似た
気まぐれのしわざなんだろうな

ぼくの老朽化した宇宙船にもちいさな休息が
必要なのかもしれない

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