Woodstockと宇宙船/梅昆布茶
 
学生服で横浜野音のロックフェスティバルにはじめて友達と行ったのは
田舎からでてきたばかりの冴えない俺

両想いだったかもしれない恋も風に紛れてどこへやら
彼女は僕とは別のさわやかな青春のむれのなかにいた

盗んだバイクで走り出せない俺はともだちを値切り倒して
改造スーパーカブを手にいれる
いまだったらトレンディだったかもなあ

乗っていたのは怪気炎渦巻く廃棄寸前の宇宙船アルバトロス
安下宿で安ウイスキーと下ネタつまみに
くだまいておだあげてトイレで吐き続けたくそ星間ワープな日々には

誰もが何かを教えてくれたし何も教えてくれなかった
充足した渇望と飢餓だけで生きていた
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