東京/AquArium
 
ここにあるのは絶望なのか
幾千の声を追い払って駆け出した
星の見えない高層ビルの隙間に
細い光でさえ、差し込まない
目の前に座る知らない無数の魂が
僕を嗤っているように、思う

少しでも立ち止まると
スクランブル交差点の真ん中で殺されてしまう
進み続けるこの薄暗い世界は
不正解だらけで、正しさはない
溢れる夢と挫折の海で
僕の目はどちらを向いているのだろう

歩幅が狭すぎるのか
距離が長すぎるのか
向かい風が冷たいのか
ああ
ああ
ああ

星が見えないことも知っていた
確かなもが欲しいから
安いプライドも最大の防御になって
息さえできない、満員の総武線で
改札を抜け出した足元には
タバコの吸殻しか落ちていない

信号が青になったら歩け
孤独の空に向かって叫べ
ここしかない
ここにいたい
ここにいる
ここで生きる

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