爬虫類の時代/梅昆布茶
 
想像のちょうじょうから降りてくるものがあるんだ
延髄から降下してゆくエレベーターは脊髄を各階どまりで
総なめして行く黒い影をともなった魔術的旋律なのだ

人間が理性なんて持ち出したのはつい最近のことさ
古代インドのウパニシャッド哲学やアリストテレスや墨子とか
長くて短い生物の歴史のついさいきんのトレンディードラマ
みたいなんだろなそういうかんがえかた

攻殻機動隊やマトリックスだって
ピンホールを通して像が倒立することだって
木漏れ日と部分日食のふしぎなメッセージだって
理性と悟性の違いだって
ほんの日常的な手品のたぐいなんだね

ぼくの心臓がドキドキしたんだ
きみ
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