帝王へ/HAL
はなかったのでしょうか
繰り返します一度として後悔なされたことはなかったのでしょうか』
※作者より
ぼくはよっぽどの例外を除いて言葉を短縮しないと云うルールを持っています。それは歳老いた故の頑迷さではありません。中学生で音楽に目醒めた頃からのルールです。エレクトリック・ギターをエレキ・ギターと呼ぶ人物、ジミ・ヘンドリクスをジミヘンと呼ぶ人物とは関わり合いを持ちたくないとずっと決めて日々を送ってきました。取り分け、そんなことどうでもいいと宣う奴、便利だし通じるんだから構わないと云う奴には強い不快感と軽蔑の心を抱いています。それは目上の方を上下関係があっても呼び捨てで呼ぶ行為、先輩諸姉諸兄にタメ口で話す行為と同等、否、それ以下の非礼な行為です。その稀なる例外が帝王の愛したトランペットでした。ぼくは帝王にだけトランペットと呼ばずペットと呼ばせて頂いています。
戻る 編 削 Point(2)