綿飴/草野春心
 


  ねえ
  これが、
  産まれたての時間。
  そう言いながら少女が
  綿飴をひとつ、ぼくにくれた



  まぶしい屋台の犇(ひし)めき合う
  貧しげな七月の喧騒のなか
  風がひとときの涼しさを広げ
  夕焼けを丸く包んでゆく




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