昆布の旅立ち/藤鈴呼
 

夏頃から 気になって居た
昆布みたいな ドロドロの物体に
今日 触れたんだ

真夏は カピカピに 乾いていて
ソレが 何なのか
想像も 出来なかった

例えば 川原で バーベキューをして
夜まで 居座って 花火

バケツの水を かけた 燃えカス
そんな 雰囲気だった

若しくは 大海原を 浮遊して
漸く 流れ着いた ビール瓶の 欠片

一体 これは 何なのか
葉の色にも 見えるけれども
何かが 微妙に 変だ

雨上がりには 虹が見えるけれども
今日は 真実が 見えた
これは きっと 腐葉土に なりたての 雑草だ

緑 アオミドロ ヘドロ
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