風/マーブル
些か眠りの底を掬い上げて 見あげる空には、白いワンピースのお空がふあんふあんとしています
その白いひだをどなたか、見ませんでしたか?
しずかに落着したあおみどりのことりを知りませんかと 風がといかけた
髪の狭間に揺れる
ふしぎな音の調かしら
暮れなずむ曖昧な色彩
それらは無言の手紙かしら
アンダンテ に めくるページの 風のしわざね
と
わたくしは群青の溜息をはるか先の岬へと飛ばすのです
あなたがタクトを振るときのように
弓なりになった曲線を 追い求めて
それは
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