首里城/朝焼彩茜色
 



 目には目では絶対に返さない政治に
 歯が立たない剣に沁みた憂いは 海へ返す 白い砂浜さえ海へ連れてゆく

   曙と暁を持つ首里城の燃え上がる情熱は
   心のすぐ隣にある 平和にそそがれる

   欲泣き平らに願う

 古から魂を拾い続けた祖先たち
 古より あの世からもエイサーの太鼓の音が
 マングローブの足を歩かせてくる
  海の上でも根を張って 生かせようと 命を持たせる

 紅型の収めた ぼかしの効かない鮮やかな命の数の色彩
 境界線はぼかし去る

 融通を聴き 掬い取り 不死鳥の爪はそれを掴み
 切り取らない ゆいを結う

黒髪の髷に結いを込める
椿油でしかりと 艶に募る想い

   心のすぐそばにある 平和へそそがれる
   曙と暁を持つ首里城から望む
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