ほつれ むらさき/
木立 悟
洋上の選挙
海鳥の冷やかし
箱は沈むのに
皆それぞれに帰りゆく
炭で描いた絵
二本足の午後
曇 鐘 時 鳥
振り返る顔が 熱にゆがむ
絵を描き終えてはじめて
白の絵の具の失いことに気づく
常にゆるやかで見えない
傷と午後のはじまり
かわいては濡れ 泥羽は
緑とはぐれたむらさきを追う
落ちた橋のむこうへと
迎えの来ない背中へと
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