夢の通り道/もっぷ
かなうかなって
空を見あげて
思えばこそ
で足りたころ
からずいぶん
遠くに来て
しまった
ちいさな願い
なのだと思うこれは
とてもさもない
なみだなのだと
願う
かなわない夢を
捨てられないのは
いまにはじまったことじゃない
雨傘がまだ
いらなかったころ
には
雨はたぶん
優しかったはず
風だとしたらそれは
南南東三メートルくらいの
ほら
かなうかなって
見あげているのは
空のあの、
手が届く場所
よその町のじゃなくって
この、
町の空にある
花柄の傘の
似合う道
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