街に冬がやってくると/半分
 
 街に冬がやってきた。
 こがらしが吹いて、人間たちはマフラーを巻いたりコートを着たり。雪が舞い始め、冷たい風がひゅるるひゅるるるる言い出すと、冷えきった街をペンギンたちが歩き出す。人間たちは、首を暖かい襟にうずめたり、傘を差したり、誰かと電話しながら、急ぎ足でどこかへ向かっている。ペンギンたちはゆっくりだ。カラフルなモノクロの冬には、少しくらい着ぶくれしていて背が低くて白黒のがのっしのっし歩いていても、人間たちは気が付かない。きっとオレンジ色のマフラーをした横断歩道くらいにしか思っていないのだ。
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