村の外れの道祖神/……とある蛙
村の外れの道祖神
何時からそこにおわすのか
村の平和を守るため、
悪霊妖怪退散の
結界 男女二柱
天津麻羅の矛を持ち
猿田彦と天宇受売命(あめのうずめ)か
村の外れの道祖神
苔生す顔は欠けていて
だんだらぼっちとうり二つ
後(のち)に地蔵と間違われ
いつかいわれも消え失せて
何を想うか道祖神
その持ち物は鍛え上げ
村の外れの道祖神
雨の日にも 日傘差し
晴れの日には破れ傘
それでも村を守るため
ジッと我慢の道祖神
いつもお供物は貧しいが
村千の結界守り抜く
両手を合わす爺婆と
供物を掠める鴉たち
それでもジッと道祖神
この先ずっとジッとして
村の最後を見るまでは
そのままござる道祖神
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