空に還る足跡/
風呂奴
水たまりに響き渡る月明かりと
引き換えに濡れたスニーカーが
ぴちゃぴちゃとアスファルトに
足跡を描いた
午前0時
夜空のアトリエでは星の彫刻家たちが
田園地帯から裾野にいたる陰影と静寂を
光の刃先で浮き彫りにしている
400歳の光の粒は水たまりに降り注ぐと
明け方の空へ月明かりを持ち帰った
私はスニーカーを乾かす
また落ちてくるいつかの水たまりと
再会を果たすために
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