母への手紙/朝焼彩茜色
お母さん。喉乾いてませんか?お金は大丈夫ですか?
私は元気です。
初めて貴女への感謝が溢れた時、24歳の時でした。
命がけの出産、私の優柔不断の魂が、貴女を難産にさせてしまった。
あの時、生き延びてくれて、ありがとう。
あの時、貴女が踏ん張らなければ、きょうだい喧嘩も空振り
一人で、ピッチャーとキャッチャーでホームランなんて、出来ただろうか?
あの時、生き延びてくれて、ありがとう。
あの時、貴女は私の人生を、正の方向に大きく傾けたよ。
お蔭様で、貴女の故郷へも導かれ、なんくるなる余裕を、空を、海を、仰いだよ。
不屈の精神が代名詞の貴女。喉乾いて
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