大洪水/葉leaf
 
 起床から睡眠に至るまでにいくつもの粒子が整列していた。それらは貝や木の実や爪だったりしたが、あちこちを眺め回しては倦怠で門のようなものを開くのだった。年齢という数字が記号でもあり連続でもある、そして意味ですらあることに、そして年齢という突端が今まさに終焉しようとしていることに、義務的に気づいてはいた。例えば一枚のシーツにしわが寄る、例えば一冊の本が棚から落ちる、例えばカーテンが風で揺れる、そんな無色の展開に、すべては孕まれていた。自殺者が自殺するためにビルの階段を上がる、その過程に忍び込んでいる昨日の松の林、今日の曇り空、明日の夕陽の海、それらの対角線をよじ登る歴史の観賞者について語らなければな
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